病気の大変さは人それぞれで比べられるものではありませんよね。それでも、独身の女性がある日突然、重い病気の診断を下されるというのは、ことさら大変に思えてしまいます。
そんな状況のコミックエッセイ3作品を、以下に挙げていきます。
『元気になるシカ! アラフォーひとり暮らし、告知されました』
元気になるシカ! アラフォーひとり暮らし、告知されました (メディアファクトリーのコミックエッセイ) | |
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BL漫画家、藤河 るりさんのコミックエッセイです。
ある日空港で突然昏倒。「卵巣がん」と診断され、闘病の日々に。ご自身とご家族の肖像が、なぜか「鹿」です。
絵柄もかわいらしく、お話も重くありません(深刻な場面であっても)。意図して明るく描かれていると思いますが、日ごろから規則正しい生活を送り、食にも運動にも気遣い、がん家系ではなかったと記されています。それなのに……というショックは、想像に余りあります。ましてや「卵巣がん」です。それが未婚の女性と家族にとってどういう意味を持つか。
もともとは、アメーバブログで連載されていました(今も続いています)。本になる前から拝見していたのですが、「本になったら絶対買う」と決めた回が以下になります。
🔗手術後②
これだけ読んでも分からないかもしれませんし、ネタバレにもなってしまうのですが、「この作家さんすごい!」と感動した回なので、ぜひ紹介させてください。
🔗元気になるシカ!
http://ameblo.jp/rurishika/
『ふいにたてなくなりました。おひとりさま漫画家、皮膚筋炎になる』
ふいにたてなくなりました。おひとりさま漫画家、皮膚筋炎になる | |
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旅行大好きという漫画家、山田雨月さんの作品です。
10万人に数人という自己免疫疾患である難病「皮膚筋炎」。
馴染みのない病気ですが分かりやすく描かれていて、終始、暗くならずにお話が進んでいきます。「きっと作者の性格ゆえだろうな」と思わせるシーンが後半にありました。
障害認定の調査員に明るくふるまって、「元気そうだからもっと日常生活ができるかと思った」と言われてしまうという場面。これは記憶に残りました。調査員の方も面喰ったろうな、と思いました。
闘病という言葉は使いたくない、とご本人はおっしゃっているので、ここでご紹介するのは正直気が引けてしまうのですが……(申し訳ありません)。
🔗ある日突然、難病にかかったら…
おひとりさま漫画家・山田雨月さんインタビュー(全4回)
https://www.kusurinomadoguchi.com/column/articles/Tv59G?page=2
『33歳漫画家志望が脳梗塞になった話』
http://www.funwarijump.jp/manga/noukousokuタイトルの通りです。
ふんわりジャンプで連載されていた、あやめゴン太さんの作品。
全15話で完結しています。
全話、WEB上で読むことができます。
30代で脳梗塞というのは、割と聞く話です。なるほど、こういう症状が出るのか、と勉強になりました。全体的にとても前向きで(ヤケっぱちかもしれませんが)コミカルです。
上記は単行本になっていませんが、その続編とも言える「どうせ死ぬなら描いて死ぬ。」が発行されています。
どうせ死ぬなら描いて死ぬ。 (メディアファクトリーのコミックエッセイ) | |
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ご紹介した3作品、いずれも重い病気ですが、お話は重くありません。商業ベースだから、という事情も(多少は)あるかもしれませんが、それよりも何よりも、作者ご本人らのお人柄によるところが大きいのだろうと思います。
レビューを拝見すると「励みになった」という声が多々寄せられていて、納得させられます。
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