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時代小説初心者にオススメ『しゃばけ』シリーズ

しゃばけ」シリーズ。「若だんな」シリーズとも。


女性作家の時代小説はいずれもとっつきやすい気がします、まずひとつ挙げよ、と言われたら、やはりこちらの『しゃばけ』をお勧めします。

しゃばけ (新潮文庫)
しゃばけ (新潮文庫)畠中 恵

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時代小説×モノノケ」というジャンルの先駆けとなったシリーズです。この作品がヒットして以降、江戸時代とあやかし、もののけを扱う小説が次々と出版されるようになりました。


それ以前にもそういう作品が無かったわけではありませんが、どちらかというとイロモノ扱いというか……伝奇小説のような扱い方をされていたかと思います。


舞台は江戸の街。廻船問屋兼薬種問屋「長崎屋」の一人息子にして若旦那の「一太郎」は、妖怪と人間のクォーター。ただし生まれつき身体が弱く、うっかり三途の川を渡りかけることも度々。両親は一粒種を溺愛し、息子のための薬を求め集めすぎて、ついには売る側に回ってしまいました。そんな若旦那をお守りするため、妖怪たちが日々奮闘するようなしないような……そんなお話です。
軽いミステリーでもありますが、妖怪が絡むと謎解きも一筋縄ではいきません。


一にも二にも、登場人物が魅力的です。これだけ周りが「濃い」と主人公は埋没しがちなのですが、「しゃばけ」は主人公もいい味出していると思います。

累計750万部突破。10万部売れたらベストセラーとも言われるそうですから、いかにすごい数字かが分かります。

まだ完結はしていません。


しゃばけ」シリーズがすごいと思ったのは、もともと「時代小説しか読まない」という人からも「面白い」と受け入れられていたこと。

普段時代小説しか読まないちょっとお年を召したご婦人から「この小説面白いから」と勧められたのが「しゃばけ」だった、というのは、実際に知人に聞いたエピソードです。

江戸時代の知識も時代小説の知識も全く不要。難しい言葉も全然出てきません。(池波正太郎とか藤沢周平とかよりは……と、個人的には思いますが、「古典みたい」というレビューもあるにはあります。)
キャラクター小説でもあるので、ラノベに親しんでいる人にも受け入れやすいと思います。

📖「しゃばけ」漫画連載もはじまりました。同原作の「獄堂霊界通信」でも長くコンビを組んできた「みもり」さんによるコミカライズです。



月刊コミック誌「@バンチ」にて連載中です。

🔗漫画「しゃばけ」
http://www.comicbunch.com/manga/sat/shabage/


📖「しゃばけ」は、漫画のアンソロジー本も出版されています。2016年に文庫化されました。

しゃばけ漫画 仁吉の巻』と『しゃばけ漫画 佐助の巻』です。

実は妖怪である「若だんな」のふたりの「兄や」(手代)、仁吉佐助それぞれを中心とした作品集です。

しゃばけ漫画 仁吉の巻 (新潮文庫 は 37-48)
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近頃、プロによるアンソロジー本はよく目にするようになりましたが、こちらは執筆陣が豪華です。

高橋 留美子さん、みもりさん、鈴木 志保さん、萩尾 望都さん、雲田 はるこさん等々……。2冊とも即購入しました。

私は岩岡ヒサエさんのお話が一番好きかな。




新潮社の「しゃばけ」公式ページでは、長崎屋の間取りやインタビュー記事など、色々な情報を見ることができます。

🔗しゃばけ倶楽部=バーチャル長崎屋
http://www.shinchosha.co.jp/shabake/

また、新潮社のオンラインショップでは、ハンカチ、手ぬぐいやブックカバーなどの「しゃばけ」グッズも販売されています。

🔗「しゃばけ」グッズ
https://www.shincho-shop.jp/shincho/goods/list.html?cid=cshabake

品ぞろえは変わると思われますので、時々チェックを。

それでは、以上です。

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