スキップしてメイン コンテンツに移動

アニメーターの「今」を描く漫画2作品

ちょっと前にNHKが、「アニメーター業界はこんなに大変なんだ」という特集を流してから、アニメーター業界がいかにブラックか、みたいな記事をちょいちょい見かけます。

海外の下請け頼みの現状、それによる「ひどい」としか言いようのない崩壊した作画(キャベツの絵がただの緑色のボールだったり……)などは、以前からすでにたびたび話題にはなっていました。

過重労働の末自殺者が出たり、「やりがい搾取」という言葉を生んだり、200万に満たない年収がクローズアップされたりする、なんともブラックなイメージがつきまとう業界です。……が、一方ではこんなニュースも。

アニメーター12人が「定時帰り・土日休み」で作った長編アニメ
「夜明け告げるルーのうた」



2017年「アヌシー国際アニメーション映画祭」長編部門クリスタル賞(最高賞)受賞作品です。

作品はともかく……正直、アエラの記事って「イメージ工作やりすぎwwww」みたいなことが多くて、どこまで信じていいか分からないんですけどね(笑)

まあ、この記事を信じていいなら、良いニュースだと思います。

あと、Adobeの「フラッシュ」(Flash)は、2020年にサービス終了が決まってます。

Adobeの「Flash」、2020年に終了。ガチで

Adobeが2種類も3種類も「フラッシュ」てソフトを作っているなら別物の可能性もありますが、たぶん同じモノですよね?


さて。アニメ業界モノといえば「SHIROBAKO」が思い浮かびますが、それは置いておきまして。



 現在連載中、アニメーターのお仕事漫画2作品をご紹介します。

『アニメタ』

花村 ヤソ (著)




月刊モーニング・ツーにて連載中。

ひょんなことから老舗アニメ制作会社に就職してしまった新人、真田幸(19歳)。基礎知識ゼロ。あるのは若さと熱意と観察眼だけ。元アニメーターの漫画だけあって、賃金計算のあたりはリアルです。
まさに「過酷なアニメ業界」を描いた作品です。夢もあれば希望もある……でも現実は、というのが繰り返し出てきます。アニメーターを目指す人、アニメーターを目指さざるを得なかった人などなど、3巻までお話が進んで、登場人物の掘り下げも少しずつ進んできています。また主人公がひときわどんくさいのがなんとも……(笑)

絵柄がちょっと独特と言うか……古風? なところも、特長かな。綱渡り状態の主人公とアニメ業界。今後もハラハラドキドキの物語が展開されていきそうです。


『パラパラデイズ』

宇仁田 ゆみ (著)



月刊!スピリッツにて連載中。

業界に籍を置いて10年。作画監督も任されるようになった独身男・八嶋が主人公。日々仕事をこなす中、どうも「鹿子」という人の絵が気になって気になって……というお話。

アニメ業界の過酷な現場を描いてはいるので、状況としては「アニメタ」と同じはずですが、「アニメタ」よりもギリギリ感というかヒリヒリ感は無く、登場キャラもこの方の漫画らしくおっとりした印象です。登場人物もド新人は出てきませんしね。

まだ1巻ですが、どちらかというと主人公の周囲の人間にスポットが当たっていて、主人公の力量そのものがハッキリしておらず、今後それが明らかになるのが非常に楽しみ。

主人公の主観で物語が進んでいる時は分からなかったのが、客観的なセリフとかで「実は主人公はスゴイ人」だと判明する展開が好きなのですよね……この作品、そういう展開をしてくれそうで、今からワクワクです(笑)

毛色の異なる2作品ですが、いずれの作品も、「天賦の才能がある若い女性」が登場するのが、イマドキな感じもしますね。

読み比べていただくと、なお面白いかもしれません。

コメント

このブログの人気の投稿

評価分かれる最終回「アイアムアヒーロー」完結

『アイアムアヒーロー』花沢健吾 (著)
大泉洋主演で映画化もされた本作品ですが、先日最終巻が発売されました。人類がゾンビに襲われるパニックホラー漫画です。
全22巻。2009年の1巻から8年近くかけての完結となりました。

アイアムアヒーロー(1) (ビッグコミックス)花沢健吾

小学館 2009-08-28
売り上げランキング : 3733


Amazonで詳しく見る by G-Tools

おひとりさま女子の闘病コミックエッセイ

病気の大変さは人それぞれで比べられるものではありませんよね。それでも、独身の女性がある日突然、重い病気の診断を下されるというのは、ことさら大変に思えてしまいます。

そんな状況のコミックエッセイ3作品を、以下に挙げていきます。

地味なロードコメディ漫画『ロッシとニコロのおかしな旅』

「ロッシとニコロのおかしな旅」深巳 琳子著


私にとっては「初めて」の作家さんです。

15世紀半ば、フィレンツェからパリへ向かう若き医師ロッシとその弟子、ニコロ少年のドタバタ珍道中です。

師匠と弟子があちこちで様々な騒動に巻き込まれます。師匠の性格上、あえて巻き込まれることもたびたび……。濡れ衣を着せられたり謎解きをしたり牢屋に入れられたり。活版印刷とか瀉血とか、当時はこんなだったんだなぁ、というのがよく分かります。西洋の歴史が好きな方なら楽しめると思います。よく調べられていると思います。

師匠ロッシのオカッパ頭とかね(笑)

ただ、漫画としては「地味」。表紙を見てまず「地味!」と思いました(笑)
「若い」という設定の医師ロッシが若者っぽく見えませんし、なにしろ男二人ですからねぇ……絵柄としても……(汗)


同じ時代のフランスを描いた漫画として、山岸 凉子の「レベレーション(啓示)」があります。



ジャンヌ・ダルクがテーマなので、内容は全く違いますが。

「レベレーション(啓示)」も絵は……正直、「日出処の天子」の頃と比べると大分粗くなってしまったなぁ……という感想です。

ロッシとニコロのおかしな旅」の方が、丁寧に細密に描かれていると思います。その分、案外お話にボリュームがあります。一話一話は長くないのですが、結構情報量あるよな、と思いました。

が……いかんせん地味です(汗) この地味さはなんででしょうねぇ。主人公の二人も美形ではないですしね。まつげをバシバシにすればいいというモノでもないのでしょうが……。

ロードコメディではありますが、腹を抱えて笑うタイプではなく、ニヤリとさせる方です。

ロッシの性格とか、師匠と弟子との掛け合いとか、何度か読み返してみて「面白いなぁ」とじんわり感じられる……スルメイカのような漫画だと思いました。

主人公は町医者という立場なので、当時の「医療」がどういうものかもさらっと描かれています。なにしろ中世ですから、まだまだ「知」というものに格差があった時代です。迷信や偏見、根拠の薄い民間療法も根強い。主人公なりに「医療」に対する志もあるようなので、それが今後、物語の軸になるかもしれません。

読む人を選ぶかもしれませんが、中世の欧州というキーワードに反応される方は、とりあえず。