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マンガ大賞2018「BEASTARS」が予想を超えて面白かった話

BEASTARS(ビースターズ)

著者:板垣巴留(イタガキパル)



ただし、どう「面白い」かはちょっと説明が難しい(笑)
ここで話を終えるワケにもいかないので、以下ご紹介していきます。

かる~くネタバレがあります。ご了承ください。

現在10巻まで刊行中。


11月8日に最新11巻が発売されます。


「BEASTARS」の内容


主人公、ハイイロオオカミの「レゴシ」はチェリートン学園の演劇部員(裏方)2年生。多種多様な動物が集う世界で、様々な問題や葛藤と日々向き合っていきます。

分類としては……「学園モノ」なのかな? ただ、学園を飛び出していることも多いですし、第1話から、演劇部所属のアルパカの生徒が喰い殺されるというヘビーな事件が起こります。肉食獣と草食獣が共存する世界で、それは最も重い罪。

この「演劇部」も、学園の部活動のひとつでありながら「謎」な部分がありまして、これは最新話でもまだ明らかにされていません。

表向き肉食を禁じられている肉食獣と、その肉食獣と日々日常生活を送る草食獣のお話し。ただ、学園モノらしい多感なお年頃の男女ならではの「恋愛」や「友情」、「未熟さ」「大人社会への鬱屈や抵抗」なども登場します。

いわゆる擬人化ファンタジーの一種ですが、作者自身は「動物ヒューマンドラマ」と語っています。



人の三大欲求は一般的に、「食欲」「性欲」「睡眠欲(一説に「集団欲)」と言われますが、「BEASTARS」では最後だけほぼ出てこないのに対し、前2つは結構前面に出てきています。そして両者の差があまり無い印象です。


人間の漫画は描いたことがない」という作者ですが、「人間だったら生々しくなってしまうことも獣なら」とも語っています。

たしかに、「人」だったらちょっとためらう描写が少年マンガにしてはチラホラありますね。動物モノだからといって「ほのぼの」ではないのでその点はご注意を(笑)

主人公「レゴシ」と、レゴシが慕う演劇部の先輩アカシカの「ルイ」は、あらゆる面で好対照です。

レゴシは肉食獣でありながら草食獣に寄り添おうとし、ルイはルイのやり方で肉食獣と関わっていきます。レゴシは草食が好きですが、ルイは(本音では)肉食獣が嫌いです。このあたりも対比ですね。ま、食うか食われるかの関係ですから当たり前といえば当たり前(笑)

昨年あたりから書店で平積みされていることもあって、チラホラ視界には入っていたのですが、手に取ったのはマンガ大賞を受賞されてからです。


そもそも擬人化自体にあまり興味がない(銀河鉄道の夜ぐらいしか……)のと、擬人化されたキャラや世界に没入できるか自信がなかったからでもあります。

ただ、やたら評判は良かったので「なら一度読んでみるか」と手に取ってハマりました。

けもフレは「人」要素が多いですが、こちらは「獣」要素が多いです。

しかし獣の「忠実」さにはこだわっていないよう(エッセンス程度)なので、獣の生態を念頭に置いておくと結構予想外れます。

ん? それはアリなのか?!」「あ、これはOKなんだ……」と思うこともしばしば。こういう「設定」は「作者の頭の中」にしかないので、私は割と早い段階で色々考えるのを辞めました。「これはこういうもの」として楽しむのが一番いいと思います。

単行本のおまけコーナー(特に4巻)やツイッターで結構重要な事……「この情報があるのとないのでは全然話が違ってくる」というような……に触れられていたりします……。

ストーリーや設定はかなり練られているようです。たとえば、単行本7巻で登場するヘビのキャラクターが居ますが、実は2巻の最後に2コマだけ登場していたりします。





まぁ、その一方で「あれ? このキャラ、豹なの? チーターなの?」みたいなところもポロポロあったりもしますが……(笑)

ネットを見ていると「猿が出てこない」という人もいますが、1巻では原猿類の部員が登場しますし、「ドリルの寮母さん」、も登場しています。ドリルはオナガザル科ですし、モブには猿っぽい描写のキャラもいるので、たぶん猿自体は普通に居ます。
ただ、チンパンジー、ゴリラ、オランウータン、 ボノボといった大型類人猿はまだ登場していないと思うので、登場させないのか、はたまたコレが物語の重要な要素になっているか……は分かりませんね。

あと魚類ですが、これはこれで別の文化圏なようです。絵では出てきませんが、「海洋語」というのが作中に何度か出ています。第20話(単行本2巻)に魚とイルカの絵がありました。いずれも擬人化はされていないようです。

この世界で虫の捕食は許されています、という記述はあるので、線引きはそのあたりのようですね。

「キャラ萌え」……要素も決して少なくはありません(笑)


誕生日や血液型もキッチリ決まっているようなので、いつでも公式ファンブックが作れそうです。



作者ご自身はアニメ化にも抵抗は無いご様子。主人公レゴシの声のイメージはキムタク、テーマ曲は浜田省吾だそうですが……。レゴシの「花」はシクラメンのようです。キャラと花言葉は関連付けられているそうなので、シクラメンの花言葉、調べましたよ(笑) ルイは「カラー」のようです(ユリでした。失礼しました)ね。なるほど……。


作者について


「マンガ大賞」受賞記念特設サイト

マンガ大賞2018受賞記念特設サイト

こちらで第1話が試し読みできます。

「このマンガがすごい!2018」オトコ編第2位第21回文化庁メディア芸術祭賞マンガ部門「新人賞」受賞など、一気にブレイクしました。その後も第22回手塚治虫文化賞新生賞受賞講談社漫画賞 少年部門受賞を重ねて、本当に勢いのある作品になっています。

作者の板垣巴留さんは武蔵野美術大学映像科ご出身。昨年2017年9月に24歳になられた、まだお若い女性作家さんです。

自主制作アニメ『鳥獣護衛絵巻』(武蔵野美術大学映像科の進級制作)

公式には発表されていませんが、格闘漫画「グラップラー刃牙」が代表作の板垣恵介さんの娘さんでは、と言われています。

就職活動の傍ら原稿を持ち込み、そのままデビューが決まったそうです。
(「BEAST COMPLEX」あとがきより)

短編集「BEAST COMPLEX」には全6話が収録されていますが、第4話までは「BEASTARS」連載前に発表されたものだそうです。世界観だけ同じです。



初の連載作品「BEASTARS」が大ヒットになりました。

週刊誌連載(週刊少年チャンピオン)なのでペースは速いです。1巻発売は昨年1月の話。

イマドキの作家さんには珍しく、モノクロもカラー原稿もすべて手書きだそうなので、大変ですね。カラー原稿、雰囲気があって良いです。

知りませんでしたが、「マンガ大賞」は最大巻数が8巻までの「マンガ作品」が対象なのだそう。来年には「対象から外れてしまう」というのも、受賞の大きな理由だったようです。

作者ご自身は「2巻までは読んで欲しい」と仰っていますが、私としては3巻までは! そうしたら「どういう方向へ行く話なんだこれは?!」てなると思います(笑)



秋田書店オンラインストアでは、グッズ展開もされています。


期限付きの商品が多いので、販売〆切にはご注意のほど。

それでは、以上です。

コメント

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