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祝アニメ化 マンガ大賞2018「BEASTARS」が予想を超えて面白かった話

BEASTARS(ビースターズ)

著者:板垣巴留(イタガキパル)



ただし、どう「面白い」かはちょっと説明が難しい(笑)
ここで話を終えるワケにもいかないので、以下ご紹介していきます。

かる~くネタバレがあります。ご了承ください。

現在14巻まで刊行中。



2019年10月よりフジテレビ「+Ultra」他にてアニメ放映が予定されています。

作者ご自身はアニメ化にも抵抗は無いご様子。主人公レゴシの声のイメージはキムタク、テーマ曲は浜田省吾だそうですが、どうなったかはアニメ公式サイトでご確認ください(笑)



「BEASTARS」の内容


主人公、ハイイロオオカミの「レゴシ」はチェリートン学園の演劇部員(裏方)2年生。多種多様な動物が集う世界、様々な問題や葛藤と日々向き合っていきます。

分類としては……最初は「学園モノ」なのかな? ただ、学園を飛び出していることも多いですし、特に単行本12巻からは新章になって様相が変わります。


第1話から、演劇部所属のアルパカの生徒が喰い殺されるというヘビーな事件が起こります。肉食獣と草食獣が共存する世界で、それは最も重い罪……。

表向き肉食を禁じられている肉食獣と、その肉食獣と日々日常生活を送る草食獣のお話し。ただ、学園モノらしい多感なお年頃の男女ならではの「恋愛」や「友情」、「未熟さ」「大人社会への鬱屈や抵抗」なども登場します。

いわゆる擬人化ファンタジーの一種ですが、作者自身はツイッターや1巻カバー折り返しなどで繰り返し「動物ヒューマンドラマ」だと語っています。



人の三大欲求は一般的に、「食欲」「性欲」「睡眠欲(一説に「集団欲)」と言われますが、「BEASTARS」では最後だけほぼ出てこないのに対し、前2つは結構前面に出てきています。そして両者の差があまり無い印象です。


人間の漫画は描いたことがない」という作者ですが、「人間だったら生々しくなってしまうことも獣なら」とも語っています。

【追記】漫画ゴラクに「人間(ヒト科)の漫画」が読み切りで掲載されました。今後も各所にて単発で描いていく予定だそうです。

たしかに、「人」だったらちょっとためらう描写が少年マンガにしてはチラホラありますね。動物モノだからといって「ほのぼの」ではないのでその点はご注意を(笑)

この作品のメインテーマが「性」(性差)であることは、作者ご自身があちこちで話されているのですが、ご本人のブログと、以下のインタビュー記事を見ると、より、理解が進むのでは……と思います。


たまにてんパル(作者公式ブログ)

このインタビューでは「(人間の葛藤がテーマだが)面白みを加えるために動物の要素を入れています」などとも語られていますね。

作者が「もうひとりの主人公格」という演劇部の先輩、アカシカの「ルイ」と、主人公「レゴシ」は、あらゆる面で好対照です。

レゴシは肉食獣でありながら草食獣に寄り添おうとし、ルイはルイのやり方で肉食獣と関わっていきます。レゴシは草食が好きですが、ルイは(本音では)肉食獣が嫌いです。このあたりも対比ですね。ま、食うか食われるかの関係ですから当たり前といえば当たり前(笑) 「ルイ」の過去も関係しています。

書店で平積みされていることもあって、チラホラ視界には入っていたのですが、私が手に取ったのはマンガ大賞を受賞されてからです。


そもそも擬人化自体にあまり興味がない(銀河鉄道の夜ぐらいしか……)のと、擬人化されたキャラや世界に没入できるか自信がなかったからでもあります。

ただ、やたら評判は良かったので「なら一度読んでみるか」と手に取ってハマりました。

けもフレは「人」要素が多いですが、こちらは「獣」要素が多いです。

しかし獣の生態の「忠実」さにはこだわっていないよう(エッセンス程度)なので、獣の生態を念頭に置いておくと結構予想外れます。ドワーフウサギに肉球があったりします(兎には肉球のある品種もいます)。

ん? それはアリなのか?!」「あ、これはOKなんだ……」と思うこともしばしば。こういう「設定は作者の頭の中にしかない」ので、私は割と早い段階で色々考えるのを辞めました。「これはこういうもの」として楽しむのが一番いいと思います。

単行本のおまけコーナー(特に4巻)やツイッターで結構重要な事……「この情報があるのとないのでは全然話が違ってくるな」というような……に触れられていたりします……。


ストーリーや設定はかなり練られているようです。たとえば、単行本7巻で登場するヘビのキャラクターが居ますが、実は2巻の最後に2コマだけ登場していたりします。




(作者のツイッターアカウントは最新のネタバレが含まれる事が往々にしてあるので、単行本派のファンでは、フォローしていないケースも多々あるようです)

ただ、その一方で「このキャラ、豹? チーター?」となるようなところもポロポロあったりもしますが……(笑)

ネットを見ていると「猿が出てこない」という人もいますが、1巻では原猿類の部員が登場しますし、「ドリルの寮母さん」、も登場しています。ドリルはオナガザル科ですし、モブには猿っぽい描写のキャラもいるので、たぶん猿自体は普通に居ます。
ただ、チンパンジー、ゴリラ、オランウータン、 ボノボといった大型類人猿はまだ登場していないと思うので、登場させないのか、はたまたコレが物語の重要な要素になっているか……は分かりませんね。

【追記】マウンテンゴリラが登場しましたので、類人猿も特別な存在ではないようです。

あと海中ですが、これはこれで別の文化圏です。アザラシは擬人化されていますが、イルカや魚はほぼそのままの姿です。

この世界で虫の捕食は許されています、という記述はあるので、線引きはそのあたりのようですね。「言葉が通じるか通じないか」が分岐点なのかもしれません。

この漫画、「キャラ萌え」要素も決して少なくはありません(笑)


誕生日や血液型もキッチリ決まっているようなので、いつでも公式ファンブックが作れそうです。




レゴシを表す「花」はシクラメンのようです。キャラと花言葉は関連付けられているそうなので、シクラメンの花言葉、調べましたよ(笑)


作者について


「マンガ大賞」受賞記念特設サイト

マンガ大賞2018受賞記念特設サイト

こちらで第1話が試し読みできます。

「このマンガがすごい!2018」オトコ編第2位第21回文化庁メディア芸術祭賞マンガ部門「新人賞」受賞など、一気にブレイクしました。その後も第22回手塚治虫文化賞新生賞受賞講談社漫画賞 少年部門受賞を重ねて、本当に勢いのある作品になっています。

作者の板垣巴留さんは武蔵野美術大学映像科ご出身。2018年9月に25歳になられた、まだお若い女性作家さんです。

自主制作アニメ『鳥獣護衛絵巻』(武蔵野美術大学映像科の進級制作)

公式には発表されていませんが、格闘漫画「グラップラー刃牙」が代表作の板垣恵介さんの娘さんでは、と言われています。

就職活動の傍ら原稿を持ち込み、そのままデビューが決まったそうです。
(「BEAST COMPLEX」あとがきより)

短編集「BEAST COMPLEX」には全6話が収録されていますが、第4話までは「BEASTARS」連載前に発表されたものだそうです。世界観だけ同じです。




初の連載作品「BEASTARS」が大ヒットになりました。

週刊誌連載(週刊少年チャンピオン)なのでペースは速いです。1巻発売は2017年1月の話。

イマドキの作家さんには珍しく、モノクロもカラー原稿もすべて手書きだそうなので、大変ですね。カラー原稿、雰囲気があって良いです。

知りませんでしたが、「マンガ大賞」は最大巻数が8巻までの「マンガ作品」が対象なのだそう。来年には「対象から外れてしまう」というのも、受賞の大きな理由だったようです。

作者ご自身は「2巻までは読んで欲しい」と仰っていますが、私としては3巻までは! そうしたら「どういう方向へ行く話なんだこれは?!」となると思います(笑)



秋田書店オンラインストアでは、グッズ展開もされています。


期限付きの商品が多いので、販売〆切にはご注意のほど。

それでは、以上です。

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